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美容機器(エステ機器)の耐用年数と減価償却について解説

美容機器(エステ機器)の耐用年数と減価償却について解説

業務用エステ機器を購入する際に押さえておきたいのが、耐用年数と正しい経理手続きです。これらの知識は経費計上や売上計上に関わり、税金や融資にも影響します。「耐用年数」や「耐久年数」といった似た用語を区別し、エステ機器とエステ備品の耐用年数、経理手続きに欠かせない減価償却に関係する要素を理解することが必要です。

本記事ではエステ機器の耐用年数、減価償却について広く解説します。エステ機器における経理手続きの基本を理解し、エステ経営にお役立てください。

耐用年数とは

耐用年数とは

耐用年数とは、「エステ機器」などの資産の価値を評価するために法律で定められた使用年数の目安のことです。具体的な耐用年数は、国税庁が公開する『減価償却資産の耐用年数表』に、物品や資産ごとの利用期間として記載されています。

エステサロンで使用するエステ機器も、耐用年数に基づいて費用計上しなければなりません。この表を参考に耐用年数を確認しておきましょう。また、後ほど解説しますが、その計算方法を減価償却と言います。

参考:減価償却資産の耐用年数表|国税庁

耐久年数との違い

耐用年数と似た言葉に「耐久年数」があります。耐久年数は耐用年数のように法律で定められたものではなく、メーカーが独自に定めた資産の推奨使用年数です。耐久年数には統一された基準はなく、使用可能期間が保証されるものでもありません。耐用年数と混同しないように注意しましょう。

エステ機器の耐用年数

エステ機器は経理手続きにおいて「器具備品7.理容又は美容機器」という勘定科目に分類されます。美容機器の耐用年数は法律上「5年」と定められています。なお、この耐用年数は、実際の使用年数や耐久年数とは異なります。

エステサロンで用いられる機器・器具の耐用年数

エステ機器以外に、エステサロンで使用する器具備品等にも耐用年数が定められています。
サロンで主に用いられるものの耐用年数は以下のとおりです。

美容機器 5年
施術ベッド 8年
家具(接客用のもの) 5年
事務用のパソコン 4年
レジ 5年
家電品(エアコン・冷蔵庫・洗濯機など) 5年または6年
室内装飾品(金属製) 15年
室内装飾品(その他) 8年

これらのエステ機器・備品を一度に計上しない理由は、エステ機器が長期間使用される資産だからです。購入時に費用として一括計上してしまうと、売上が順調で回収見込みがあっても、一時的に大赤字に見えてしまいます。

エステ機器の性質上、使用期間に伴い資産の価値が減少すること、提供するサービスに対する費用として配分することを踏まえ、正確な利益を出すために耐用年数が設定されています。

エステ機器の減価償却

エステ機器の減価償却

エステ機器の「減価償却」は、サロン経営に欠かせない経理上の手続きです。
以下に、減価償却の概要や目的、計算に必要な要素について、基本的な情報をわかりやすく解説します。

減価償却の概要と目的

減価償却とは、資産を一度に経費計上するのではなく、法律で定められた耐用年数に応じて分割して計上する経理上のしくみのことです。減価償却の「減価」は価値が減る、「償却」は資産の取得額を費用化することを意味しています。減価償却は「資産は時間経過とともに価値が減る」という考え方に基づいています。

減価償却の目的は「資産の適正な評価」です。時間経過とともに価値が減少する資産の取得費用は、有効期間内に公平に配分し、企業の利益を正しく知る必要があります。美容機器や備品などの資産についても同様で、法令のもと減価償却が義務づけられています。

エステ機器や備品などは、一般的に長期的に使用される資産であることから、その価値が徐々に下がることを考慮して、耐用年数に応じて費用を分割して計上します。

減価償却費の計算に必要な要素

減価償却の計算には、以下の要素が必要です。それぞれについて詳しく確認していきましょう。

1. 取得価額(原価)

取得価額とは、エステ機器などの資産の購入価格と、エステ機器に付随して支払った費用の合計額です。例えば、運送費、荷役費(搬入作業にかかる費用など)、設置費、手数料、保険料などがこれに当たります。ただし、不動産取得税、登録のための費用等は含まれません。

2. 法定耐用年数

法律で定められた耐用年数のこと。資産としての価値の寿命です。国税庁の『減価償却資産の耐用年数表』に公表されています。エステ機器の法定耐用年数は5年です。

3. 減価償却方法

減価償却の計算方法には、主に「定額法」と「定率法」の2種類があります。

  • 定額法:毎年同じ減価償却費を計上する方法。計算式は「減価償却費=取得価額×定額法の償却率」。
  • 定率法:取得価格に耐用年数ごとに定められた償却率をかけ減価償却費を計上する方法。取得年の節税効果が期待できる一方、付随するルールに注意が必要。計算式は「減価償却費=未償却残高×定率法の償却率」。

いずれを選択しても最終的な経費計上額は同じです。しかし、一度選択した計算方法を変更することはできません。どちらにするかは会計の専門知識を持つ税理士に相談し、慎重に選択しましょう。

なお、耐用年数が終了した後は、残りの価値を「備忘価格として1円」計上します。

その他の注意点

減価償却に関する重要な注意点を確認しておきましょう。エステ機器が中古の場合や機器の取得価格が少額の場合、機器を廃棄する場合などにも注意が必要です。

  • 中古美容機器:耐用年数ではなく使用可能期間を用いる(通常は5年より短い期間として計上)
  • 減価償却の計上開始日:計上開始日は購入日ではなく事業用として使用開始した日を基準とする
  • 取得価額30万円未満の場合:「少額減価償却資産」として全額一括償却が可能
  • 取得価額10万円未満の場合:「消耗品」として計上が可能
  • 減価償却を過ぎた美容機器を廃棄する場合:(1)帳簿上において資産として計上した残存価格「1円」を仕訳から削除(2)機器の価値減少に伴う費用として、廃棄時までの原価償却費を計上する(3)消費相当額を原価償却資産の帳簿価格から差し引く(4)残額を損益計算書の特別損失の部へ「固定資産除去損」として計上する

エステ機器の会計処理ならプロラボソリューションにご相談ください

エステ機器の購入を検討しているのならば、機能や売上だけでなく経理手続きにも注意が必要です。

POINT

エステ機器に関わる経理手続きは、耐用年数を用いた減価償却を行うルールがあります。財務状況は融資の可否にも影響するため、経営状況を正しく反映した経理手続きが求められます。また、適切に処理することで、減価償却による節税効果も期待できるでしょう。

ただし、細かな注意事項もあるため、エステ機器の経理手続きの方法について知見のある専門業者からのアドバイスが効果的です。プロラボソリューションにはエステ機器の購入から経理手続きまで、幅広く相談可能な専門コンサルタントがいます。ぜひお気軽にお問合せください。

エステ機器の耐用年数にそって正しい減価償却を行い、エステ経営を成功させましょう。