エステサロン業界は、新規参入の増加に伴い競争が激化しています。そのため多くのエステサロンが、質の高い施術や丁寧な接客など、優れたサービスを追求するようになりました。結果として、サービスの質だけでは競合店との違いを顧客に示すことが難しくなっています。現在、新規顧客の獲得や既存顧客の維持が困難となり、エステサロンの経営に苦戦しているケースも多いでしょう。
そこでエステサロンの運営において注目されているのがブランディングです。エステサロンの個性や強みなどの独自のイメージづくりをして、競合サロンとの差別化を図るのです。
本記事では、エステサロンのブランディングの重要性から、具体的な戦略などについて解説します。
エステサロン業界の現状とブランディングの必要性
ブランディングとは?
ブランディングとは、自サロンの「らしさ」や「理念」を社内に浸透させる継続的な活動をするインナーブランディングと、自サロンの「らしさ」「価値」「他社との違い」を社外に伝え、認知や理解を広げ取り組みを指すアウターブランディングがあります。エステサロンの経営には、両方のブランディングが必要です。
エステサロン業界の競争激化でブランディングは重要に
ある調査によると、2023年の倒産件数は95件に達し、前年度比69.6%増加で過去20年間で最多を記録しています。社会的な背景としては、感染症流行による行動規制の長期的な影響も大きく、客足の回復は鈍い状況が続き、多くのエステサロンが売上の回復に苦戦しているのが現状です。
また、SNSの普及により、顧客は簡単にさまざまな情報にアクセスできるようになりました。価格や立地だけでなく、SNS上での評判や可視化された施術結果の情報が重要な選択要因となるなど、エステサロンを選ぶ基準が変化しています。
これらの背景から、単純にサービスを提供するだけでは生き残りが困難になっています。顧客ニーズの多様化に対応しつつ、安全性と信頼性を確保したブランディングを行うことがエステサロンの成功の鍵といえます。
エステサロンのブランディングのメリット
エステサロンのブランディングには多くのメリットがあります。主なメリットをいくつか挙げて説明します。
競合サロンとの差別化
エステサロン業界の参入障壁はそれほど高くないため、多くのエステサロンが似通ったサービスを提供するようになりました。この結果、しばしば価格のみで判断されることに繋がり、価格競争が起こりがちです。そこで、戦略として重要なのが自サロンの独自性です。顧客がエステサロンを選ぶ際の判断材料として重要な役割を果たします。
例えば、オーガニック製品にこだわるエステサロンは自然派志向の顧客の目に留まりやすく、話題の美容機器を取り入れたエステサロンは新しいサービスに興味のある顧客の関心を引きやすくなります。このように、エステサロンの特徴が顧客の好みや求めているものと一致すると、顧客に選ばれる可能性が高まるでしょう。
顧客ロイヤルティの獲得
エステサロンのブランディングは、特定のイメージを一貫して発信することで、顧客の期待が形成されます。例えば、自然素材の使用や多様な機器による施術など、その期待に沿った実際の体験が満足感を生みます。この満足感の繰り返しが、予約の取りやすさや丁寧なアフターケアなども含めた総合的な信頼関係の構築につながるでしょう。
さらに、会員限定サービスや個別カウンセリングなどを通じて顧客に特別感を与えます。顧客ロイヤルティが高まることで顧客は新メニューにも積極的に反応し、SNSでの口コミ発信の増加も期待できます。
特別感によるプレミアム価格での売り上げアップ
ブランドイメージを確立することで、顧客はそのエステサロンを高品質かつ独自の価値を提供する場所として認識し、サービスにより高い価値を見出すようになります。つまり、顧客がサービスの価値に納得することで、価値に見合った高価格帯の料金設定が可能となります。
結果として、より高付加価値なサービスを提供でき、収益性が向上につながります。同時に、顧客の満足度が高まることで継続的な利用につながり、顧客生涯価値(LTV)の増加が期待できます。
さらに、強いブランド力は優秀な人材の採用を容易にし、スタッフのモチベーション向上にも寄与します。これらの要因が相互に作用し合うことで、サービス品質のさらなる向上と顧客満足度の増加という好循環が生まれるでしょう。
エステサロンのブランディングの流れやポイント
効果的なブランディング戦略を立てる流れやポイントを紹介します。
ターゲットの明確化
ターゲットの明確化は、ブランディングするにあたって重要な最初のステップです。これは、自サロンのサービスを最も必要としている顧客層を具体的に特定する工程です。例えば、「30代後半〜40代前半の働く女性で、美容に関心が高く、自然由来の成分にこだわる層」といった具合に設定します。提供すべきサービスの内容が明確になったり、マーケティング戦略の方向性が定まる利点があります。ターゲットのニーズや価値観を想定することで、必要とされるサービスや効果的なコミュニケーションが実現できるでしょう。
自社の強みと独自性の分析
自サロンの位置付けを明確にするため、必要な工程です。例えば、特徴を洗い出し、SWOT分析(強み、弱み、機会、脅威の4要素で現状を評価する戦略的分析手法)を活用します。自サロンの現状を多角的に把握できるでしょう。
例:
- 強み(Strengths):象徴的なケアメニューや丁寧な接客
- 弱み(Weaknesses):高価格帯や限られた営業時間
- 機会(Opportunities):新しい美容トレンドや技術の提供
- 脅威(Threats):新規競合の参入や経済状況の変化など
競合店の分析
効果的な差別化戦略を立てるために重要な要素です。例えば、競合店のサービス内容を把握し、市場のトレンドや自サロンで不足しているサービスを特定できます。他にも、料金設定を把握し、価格戦略の基礎の参考にできるでしょう。この分析により、自サロンの強みを活かせる市場ポジションや、まだ満たされていない顧客ニーズが明確になります。
ポジショニングの決定
ターゲット分析や、自サロンの分析、競合サロンの分析の結果を統合し、自サロンの独自の位置付けを明確にします。エステサロンの雰囲気づくりやマーケティング戦略の基礎となり、一貫したブランド体験創出につながります。結果として、顧客の心に明確なブランドイメージを形成し、競争力のある市場地位を確立することができるでしょう。
エステサロンをブランディングに取り組み、独自性を打ち出そう
エステサロンのブランディングは他社と差別化を計ることで、顧客獲得の鍵となります。市場環境や顧客ニーズの変化に合わせて、定期的に自社のブランドを見直し、顧客からのフィードバックを反映させる継続的な管理が重要です。エステサロン運営の軸として、顧客へどのようなサービスが求められているかを分析し、ブランディング戦略を検討しましょう。
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