業務用痩身機器は高周波、ラジオ波、EMSなど多種多様です。そのなかでも、最新の痩身方法として注目を集めつつあるのが電磁パルス痩身マシンです。しかし、認知度の低さを背景に導入に二の足を踏んでしまうことも少なくありません。
本記事では、電磁パルス痩身マシンの仕組みやEMSとの違いなど基本的なことから、メリット・デメリットについて解説します。少しでも興味のある方は、ぜひ参考にしてください。
なお、瘦身機器については以下の記事でも解説しています。
電磁パルス痩身マシンについて
電磁パルスについて、聞いたことはあっても具体的な特徴がわからない方も多いでしょう。まずは、電磁パルスとは何か、痩身エステにどのような作用をするのかなど基本的なポイントを紹介します。
そもそも、電磁パルスとは?
「電磁パルス」といえば、電子機器を損傷、破壊する強力なパルス状の電磁波と認識している人も多いかもしれません。あるいは、太陽フレアによって引き起こされるものとして聞いたことがある人もいるでしょう。
このHIFEM技術を用いて、直接、肌に熱などを照射せずに筋肉を鍛えることができ、その効果は1回(約30分)の施術で約2万回の筋収縮が想定されています。
運動ニューロンを刺激
電磁パルス痩身マシンを一言でまとめるのならば、「磁気を利用して痩身のサポートをする機器」となります。類似機器との違いは電気などの外部刺激で強制的に筋肉を動かすのではなく、脳信号に近い磁気を発生させて、運動を司る運動ニューロン(運動神経)を刺激することです。より自然に近い形で、通常のトレーニングや痩身機器では動かすことが困難な深部の筋肉へ作用します。それにより基礎代謝の向上が期待され、その結果、リバウンドしにくい痩身が実現できると考えられています。
無論、施術後、食生活や日常的な運動など生活習慣を見直すことも重要です。電磁パルスでの施術のみで痩せるのではなく、生活習慣の改善も含めたトータルでのアプローチが必要だということを忘れてはいけません。
電磁パルスとEMS機器の違い
業務用痩身マシンのなかで電磁パルスと類似しているのが、すでに家庭用痩身機器としても馴染みがあるEMS(Electrical Muscle Stimulation)機器です。外部刺激によって痩身を促すという目的は同じですが、大きく異なる点が3つあります。
- 刺激の種類
- 作用の深さ
- 操作方法
まずは1の刺激の種類の違いです。電磁パルスが強力な磁気を用いて、運動神経を刺激することで深い位置の筋肉が収縮するのに対して、EMSは電気による刺激で直接的に浅い位置の筋肉を収縮させます。
電気や磁気といった外部刺激を用いて筋収縮させることの目的は、運動によって使われる筋肉の違いが関係しています。普段の随意運動時には、収縮張力が低く疲労しにくい「遅筋線維」が使われます。一方で、電気刺激では低い運動強度でもエネルギー利用の高い「速筋線維」が動き、筋エネルギー消費、グリコーゲン代謝、糖代謝が活性化します。その結果、リハビリや痩身に高い効果が期待できるのです。そういう意味では、電磁パルスはEMSの発展系といえるでしょう。
2の外部刺激が届く作用の深さも異なります。EMSによって届く範囲は低周波、中周波、高周波と周波数によって変わりますが、皮下約1~3cmの表層筋肉までです。皮下脂肪の厚みによっては、さらに届きにくくなります。一方、電磁パルスは皮下約7cmまで届き、運動神経を刺激するだけでなくインナーマッスルに対するアプローチも可能です。
3の操作方法は、EMS痩身機器は直接肌に貼りつける接触型、電磁パルスは服の上から装着可能な非接触型、ハンドピースをゴムバンドで固定するだけと大きく異なります。
電磁パルス痩身マシンのメリット、デメリット
業務用電磁パルス痩身マシンの導入を考える際、メリットだけでなく、デメリットも把握することは安全かつ適切なケアを提供するうえで重要です。ここでは、4つのメリット、デメリットを紹介します。
4つのメリット
- 肌へのダメージがほとんどない
- 健康サポートにもつながる
- 着替えや専用ジェルが不要
- 操作が簡単
上記の「EMSとの違い」でも記したように、電磁パルスは肌に貼りつけて直接刺激するのではなく、服の上から装着する非接触型です。さらに、火傷や肌荒れなどのトラブルが起こりにくいため、安全性も高いといえます。
また、通常では鍛えられない筋肉を強力に収縮できるため、基礎代謝の向上が期待できるなど、健康面でもサポートが可能です。
どんなに素晴らしい技術を用いた最新機器であっても、操作方法を会得するまでに時間がかかっていては、コストがかかるだけでなく安定したケア提供も難しくなります。導入後すぐに稼働できるのは、エステ経営者にとって大きなメリットと考えられます。
4つのデメリット
- 設置場所の確保
- 金属など電磁波の影響を受けるものの取り扱い
- 電子インプラント、金属インプラントを挿入されている方、照射希望部位に未治療感染症及び炎症がある方、妊娠中の方など施術できないケースがある
- 最新機器のため、認知度が低い
電磁パルス痩身マシンの注意点として、強力な磁気を発生させることがあげられます。施術中には金属類やICカードなど影響を受ける物を近くに置かない、体調や持病によっては施術できないことがあるため、事前の説明と確認が必要です。とくに施術可否の判断については、医療従事者ではないエステティシャンにとっては難しい部分もあり、リスクとして留意しておくことが大切でしょう。さらに、機器は大型なため設置場所を選ぶことにも注意が必要です。店舗面積を踏まえて、設置スペースに見合った機材を導入してください。
すでに家庭用痩身機器として身近な存在となっているEMS機器と比べると、電磁パルスは最新機器のため認知度は高くありません。お客様に対して仕組みや作用についてより丁寧な説明が求められます。
まとめ:電磁パルスは、期待が高まる次世代痩身エステマシン
脳からの信号で運動を司っている運動神経への刺激や筋肉による脂肪代謝という体の自然な作用と最新技術を組み合わせた電磁パレス痩身マシンは、今後の普及に期待が高まる新しい痩身エステの形といえます。非接触型なことも、様々な感染症リスクの意識が高まっている現代のニーズと合致しています。
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